起業する前にするべきことのまとめ

知っておくべきことと準備が大きなポイントです。

創業融資の審査基準について

創業融資の審査基準について

創業融資の審査基準について

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(1)創業融資の審査の基準とは

創業融資の審査の際に、どのようなことが審査されるのか事前に知っておきましょう。

ポイントの1・自己資金のチェック】

事業全体のうち、自己資金をどの程度、用意したかの割合が審査の重要なポイントになります。

日本政策金融公庫の新創業融資制度の場合、創業資金のうち、1/3は自己資金を用意する必要があります。

また、自治体の創業融資については、都道府県や市区町村によっていろいろですが、創業資金のおおむね1/2の自己資金が必要という要件になっているところが大半です。

1)自己資金とは…

これは、事業開始時の資金のことです。

個人事業の場合は預貯金口座の残高で、法人の場合は資本金です。

ただし、一時的に借りてきたような、いわゆる見せ金は自己資金とはなりません。

自己資金の内容についても融資審査で厳しくチェックされます。

また、過去の蓄積による自己資金なのか、一時的に増えた自己資金なのかも重要です。

例えば、株の売却益のように一時的に増えたお金や父親から贈与されたお金を自己資金にした場合より、給与の中からコツコツと毎月積み立てたお金を自己資金とする場合の方が、金融機関から見た評価が高いということになります。

そのため、通常は、起業前1年間の個人名義の通帳の提出を求められ、自己資金の蓄積が正常なものかどうかのチェックが行われます。

タンス預金や親からの振り込みでなく、現金でもらってきたお金などの証明が難しい自己資金がある場合、審査の通過が難しくなるケースもありません。

起業準備の時点で金融機関の視線を意識した行動をしておきましょう。

2)創業資金とは…次の2点の合計です。

  • 設備資金=車両やパソコン、デスクやコピー機、内装工事などのハード面に掛かる資金
  • 運転資金=仕入れや人件費、その他の諸経費など、おおよそ2~3ヵ月分程度の資金

【ポイントの2・経験や能力のチェック】

1)経験について…

この場合の経験とは、起業家の過去の勤務経験のことです。

そこから融資の可否を判断します。例えば、飲食業で起業したい人が、飲食業でアルバイトもしたことがないような場合、金融機関としては非常に融資しにくいということになります。

事業計画書の事業内容に対して、今までの職歴が、今回の事業に活かせる経験を多く積んできたということをアピールすることが重要なのです。

2)経営能力について…

経営者としての能力も融資の可否の重要な要素です。

例えば、金融機関の審査では、通常は、融資担当者との1時間程度の面談が行われます。

この面談の際の受け答え内容や態度によっても、経営者としての能力があるか、信用できる人物なのかなどが判断されることになります。

また、お金の管理能力があるかどうかも重要な審査要素です。

例えば、過去1年以内に電気やガス、水道などの公共料金や税金の滞納が多発している場合、融資審査では金銭的感覚が乏しいと判断され、融資はかなり厳しくなります。

これをチェックするために、過去1年分の公共料金の請求明細を提出要求されることもありますので、事前に準備しておきましょう。

また、個人信用情報に事故情報が残っている場合も審査通過は厳しくなります。

クレジットカードなどの返済延滞などの事故情報は5年間残ります。

過去に個人信用情報に取るようなお金のトラブルを起こしたことのある人は、事前に記録をチェックしておくことが必要です。

【ポイントの3・返済の可能性度のチェック】

1)形式的に返済できるのかどうかです…

形式的な審査として、事業計画書の予測損益計算巣の税引き後の利益+減価償却費が融資返済額を上回っているかどうかを審査します。

金融機関では、各業界の標準的な売上げや経費率などのデータを持っています。

事業計画書の売上げ予測や地益予想などがデータの標準的な数字とあまりにも乖離しているような甘い見通しを立てていれば、経営者としての経営感覚を疑い貸しにくくなります。

また逆に、税引き後の利益が年間の借入れ返済額を下回るような弱気な計画になっていれば、当然ながら融資できないということになります。

2)実質的に返済できるのかどうかです…

実質的な審査として、事業計画書に書いてある売上げの計画が本当に実現できる説得力があるかどうかです。

例えば、飲食店を例に考えると、確実に売上げが上がることを証明するには次のような要素で、それぞれ説得力が必要です。

  • USP(お客はなぜあなたの店でなければならないか)…多くの競合他店の中で勝つことのできる魅力的な要素は何かです。メニューは、価格は、接客サービスは、イベントは、内容は、場所は、どうなのかということです。
  • 出店場所と客層ターゲット…出店場所の優劣やターゲット層の属性などです。
  • 集客方法…戦略的に集客プランを考えていますか。折込みチラシやタウン誌、手渡しチラシ、ホームページ、SNS、口コミなどです。例えば、Web集客でSEOを掛けるとしたら、具体的にどのようなキーワードを選ぶのかなど、細かいところまで踏み込みます。
  • 客単価…ターゲットに対して提供する客単価が合っているかどうか、近隣の競合他店の客単価と比較して対抗できるのかなどを、実際に近隣の店で飲食して、自分の周りの客が注文したメニューや客単価を調査するなどです。
  • 来客数…座席数に対して、それぞれの時間帯で何回転できるかより、1日の来客数を具体的に予測します。
  • リピ-ト…来客してもらえたお客にリピートしてくれるような方法があるのか、それはどんな方法なのかです。

【ポイントの4・資金用途のチェック】

創業融資を受ける際には、その資金の用途を全て証明する必要があるのです。

例えば、事業全体で必要な資金が1,500万円だという事業計画を基に、自己資金500万円、借入れ希望額が1,000万円の申込みをする場合、事業全体で掛かるという、その1,000万円の内訳を示し、それぞれの見積書などで根拠を示す必要があるのです。

また、これから契約する予定の賃貸物件に掛かる経費などは、物件のチラシなどを示します。

例えば、コンサルタント業など、多額の資金が掛からないビジネスで起業する場合は、自己資金が500万円あって、最大1,000万円の借入れ枠が期待できる場合であっても総額1,500万円の用途を見積書などで示せないことがあるはずです。

このように、用途が明確になっている資金以外は融資が受けられないということです。

(2)融資審査に受かるためのポイントは

  1. 売上げが上がるかどうかの説得力です…金融機関にとって最も重要なことは、貸した資金を確実に返してもらえるということです。これは公的資金でも同じことです。大切な税金を使って融資するからということだともいえます。確実に返済してもらえることの必要な要素の中で、最も重要な要素が確実に売上げや利益が上がるような見込みがあるかどうか、ということです。この要素を説得する力が重要なのです。有力な効果がある方法は、客先からの注文書などを融資審査の添付書類として提出できたり、すでに売上げが上がっている状況などです。それができなくても、営業先リストを提出したり、Webでの集客を狙っているSEOのキーワードを徹底的に解説するなど、なるべく具体的に説明できるように準備しておきましょう。よくある事例は、市場分析などマクロな話ばかりを事業計画書に書いて具体性に欠ける場合です。このように雲をつかむような大きな話ではなく、地についた事業が確実に動き出しているということが重要なのです。
  2. 人物が重要なのです…融資審査の際の面談は回答内容が重要ですが、そのような単純な目的のためではないのです。それよりも、面談の担当者は、あなたが誠実な人物か、その業種の経営者に向いてるのかどうかなどの人物像を見ているのです。この点が重視されるのです。また、面談の際は、身なりや服装、話し方、態度などにも注意しましょう。
  3. 面談の受け答えは正直に話しましょう…金融機関の融資担当者は融資のプロです。面談の際は、相手の目をじっと見て、その人が本当のことを言っているのか様子を見ています。クレジットカードなどの支払延滞があるかどうか個人信用情報なども調べるし、多くの提出資料から厳しいチェックも入れます。数多くの融資審査を経験してきた担当者なら、ウソか真実なのかどうかをすぐに見極めることができます。下手なウソをつくくらいなら、正直に堂々と貸してもらうようにきちっと準備しましょう。
  4. あなたの熱意と情熱をアピールしましょう。融資担当者は仕事として、冷静に面談に臨んでいたとしても、必ず起業家を応援したいという使命感のもとにやっているはずです。ですから、あなたがどれだけ本気でそのビジネスを世に出したいかという熱意と情熱を示しましょう。気持ちが相手に伝われば、融資担当者もできる限り応援してくれるはずです。
  5. 誰が税理士、コンサルタントなどとしてサポートしていくのかも重要です…起業後に誰が税理士やコンサルタントとして経営の指導を行っていくのかどうかも重要な審査の要素となります。金融機関から見た場合、初めて経営を行なう起業家が単独で事業を進めていくのは頼りなく思います。ですから、経営指導の経験豊かな資金繰りなどに明るい税理士やコンサルタントがしっかりとサポートしていくことが分かっていれば貸しやすくなる条件となります。専門家選びの際は、顧問料のことだけではなく、このような資金調達、資金繰りの面など、金融機関から信頼のある人物なのかも検討することをお勧めします。
  6. スケールダウンも一つの方法です…融資の診断結果としては、融資は可か不可かの2者選択ではなく、減額するなら可能という審査結果もありえます。これは、主に、金融機関から見て、返済計画に無理がありそうな場合に、このような減額の提案を受けることがあります。もし、希望満額の融資ではなく減額の打診を受けた場合に、事業規模のスケールダウンをした場合でも起業することができるのかを事前に検討しておくことも必要です。
  7. 相談の段階で、融資の見込みがないと感じたら、申込みは取り下げましょう…審査申込み前の相談の際に、どうもダメだという感触を感じたら、正式な申込みは自分で取り下げることが無難です。それは、一度、正式に審査を受けて不許可になってしまうと、金融機関の内部にその記録が残ってしまい、仕切り直しで審査を受けようとしても、よほど方向性などが違うプランでない限り、しばらくは通常の審査を受けることは難しいでしょう。

(3)公庫融資の場合の創業融資を受けるための手順は

自分自身で直接、公庫に創業融資を申込む際の手順です。この場合、専門家のサポートを受ける場合よりも、大幅にいくつかの手順が省略でき、全体的に掛かる時間が短縮できます。

  1. 相談…まず、日本政策金融公庫の支店窓口に相談に行きましょう。この際に、案内パンフレットや申込書などの必要書類を入手します。
  2. 事業計画書、創業計画書の作成…公庫指定の創業計画書や、その根拠となる事業計画書の作成を進めます。それは、ポイントをおさえた創業計画書や事業計画書を作成することが重要です。
  3. 申込書、添付資料の準備…借入れ申込書などに記入しましょう。もし、わからないことがあれば空欄にしておき、窓口に提出する時に確認して記載します。そして、指定された添付資料はモレがないかも確認しておきましょう。
  4. 推薦状の入手(生活衛生事業のみ)…飲食業や美容業など、生活関連事業に該当していて、設備資金の借入金額が300万円を超える場合、店の所在地の都道府県知事の推薦状を入手することが必要です。推薦状の交付場所についっては都道府県によって異なるため、都道府県のホームページなどで確認してください(例:東京都の場合、公益財団法人東京都生活衛生営業指導センターが交付窓口です)。
  5. 正式申込み…公庫支店窓口へ正式な借入れ申込書を提出します。あらかじめ指定された添付書類もこの時点で提出します。
  6. 追加指定された提出書類の収集…正式な申込みをした後、融資面談者との面談時に持参するべき追加資料提出を指定されます。例えば、会社員時代の源泉徴収書や住宅ローンの返済明細表、固定資産の領収書などを用意します。もし、時間的に面談まで揃えることが難しい場合は、ひとまず面談に臨み、後で追加して提出するという方法もあります。
  7. 融資担当者との面談…正式に申込みをすると1週間程度後に融資担当者との面談日が設定されます。これは、融資担当者と起業者との1対1の面談です。基本的に税理士やコンサルタントなどの第三者は同席することはできません。当日、緊張して慌てないように、質問されそうなポイントについて、あらかじめ回答のシミュレーションをしておくとよいでしょう。
  8. 審査結果の通知…面談から数日から3週間後程度に、審査結果についての通知があります。
  9. 契約書の締結…審査結果がOKであったばあい、公庫の支店で「金銭消費賃貸契約書」の契約手続きを行ないます。同時に印鑑証明書など、公庫に指定された添付書類を添えます。
  10. 融資の実行…契約締結から2,3日後には、指定の銀行口座に融資金額が実行されます。

(4)自治体で創業融資を受けるための手順は

自治体での創業融資では、自治体や金融機関、信用保証協会などの第三者が関わるために、手順も多く、申込みから実行までが2~3ヵ月と時間が掛かります。

  1. 自治体への相談窓口で面談相談します。
  2. 同時に申込書を入手し、所定項目を記入します。
  3. 自治体への斡旋申し込みをします。
  4. 資格要件が審査され、自治体より郵送などで斡旋書が交付されます。
  5. 金融機関を選択し、連絡して融資申し込みをします。
  6. 金融機関から信用保証協会に信用保証の申込みをします。
  7. 信用保証協会で保証審査(訪問や面談が行なわれる場合もあります)をした後、金融機関に保証引受けの可否が通知されます(信用保証書の発行)。
  8. 金融機関から「信用保証書」に基づいての融資実行の可否が申込み者と自治体に通知されます。
  9. 金銭貸借契約書などの締結をします。
  10. 金融機関から申込み者の所定口座に融資実行されます。と同時に所定の「信用保証料」を支払います。

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