起業する前にするべきことのまとめ

知っておくべきことと準備が大きなポイントです。

起業資金を検討します
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ここでは、起業資金の話をしましょう。

合同会社の場合は、複数の出資者を集めて起業することができますが、一人や、数人で起業する場合は、事業内容によっては資金ある程度の規模が必要な場合があります。

そのような場合は、数十人や数百人の出資者を集めるのは可能ですが、不向きです。

合同会社の説明で述べたように、出資者は、全員経営者になるし、また、企業を出資者に参加する場合は、定款によって経営に参加させないこともできますが、大勢の人数の場合は手間や苦労を考えると、合同会社には不向きだと思います。

しかし、自己資金で全ての資金がまかなえない場合は、個人事業の場合も同様ですが、調達による方法は、

  • 融資(借入)による方法

  • 助成金・補助金を受ける方法

があります。

起業資金を検討します

融資による資金調達をするのが一般的です

融資による資金調達をするのが一般的です

創業資金の借入れ先としては主に次のケースが考えられます。

(1)日本政策金融公庫の新創業融資制度

借入れ先として一番メジャーなモノに、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」があります。

この制度は、無担保無保証で最大1,500万円までの融資が受けられるなど、起業家にとっては多くのメリットがあり、お勧めです。

【メリット】

  • 起業家への融資に積極的です…この公庫は、政府系金融機関として、新しい産業を生み、育てることを政策的に行っています。そのため、一般の金融機関などは貸し倒れのリスクを恐れて、起業資金の融資に消極的なのに対し、この公庫は起業家へ積極的に融資をしてくれます。
  • 無担保無保証、連帯保証人署名が不要です…この制度なら、無担保無保証で最大1,500万円まで融資してくれる可能性があります。そして、担保がいらないのはもちろん、経営者本人が連帯保証人としての署名捺印も不要です。日本の場合、事業資金融資では、経営者本人が連帯保証人として署名捺印を求められるのが一般的であるため、それと比較すると、経営者にとっては非常に有利なものとなっています
  • 融資の実行までが、非常に早いのです…自治体の創業融資に比べると融資の実行までの期間が非常に短いのが特徴です。通常、申込みから融資実行までが1ヵ月程度のため、素早い事業展開が可能となります。
  • 自己資金の要件について…この制度では、自己資金の割合(※)が1/3の要件となっています。これに対して、自治体の創業融資の大半は1/2の自己資金割合を求めています。結果的に公庫のほうが多くの融資を受けられる可能性があります(※)事業全体に掛かる資金のうち、自己資金をどれだけ用意できたかの割合です。

【デメリット】

  • 金利が若干高い…公庫の制度を利用した場合、自治体創業融資より金利が高い場合が多い

【新創業融資制度要項】

◎利用できる方:次のすべての要件に該当する方です。

1)創業の要件…

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

※個人事業の場合、確定申告を2回終えている場合。

法人の場合決算・申告を2回終えている場合。 (さらに…)

創業融資の審査基準について

創業融資の審査基準について

(1)創業融資の審査の基準とは

創業融資の審査の際に、どのようなことが審査されるのか事前に知っておきましょう。

ポイントの1・自己資金のチェック】

事業全体のうち、自己資金をどの程度、用意したかの割合が審査の重要なポイントになります。

日本政策金融公庫の新創業融資制度の場合、創業資金のうち、1/3は自己資金を用意する必要があります。

また、自治体の創業融資については、都道府県や市区町村によっていろいろですが、創業資金のおおむね1/2の自己資金が必要という要件になっているところが大半です。

1)自己資金とは…

これは、事業開始時の資金のことです。

個人事業の場合は預貯金口座の残高で、法人の場合は資本金です。

ただし、一時的に借りてきたような、いわゆる見せ金は自己資金とはなりません。

自己資金の内容についても融資審査で厳しくチェックされます。

また、過去の蓄積による自己資金なのか、一時的に増えた自己資金なのかも重要です。

例えば、株の売却益のように一時的に増えたお金や父親から贈与されたお金を自己資金にした場合より、給与の中からコツコツと毎月積み立てたお金を自己資金とする場合の方が、金融機関から見た評価が高いということになります。

そのため、通常は、起業前1年間の個人名義の通帳の提出を求められ、自己資金の蓄積が正常なものかどうかのチェックが行われます。

タンス預金や親からの振り込みでなく、現金でもらってきたお金などの証明が難しい自己資金がある場合、審査の通過が難しくなるケースもありません。

起業準備の時点で金融機関の視線を意識した行動をしておきましょう。

2)創業資金とは…次の2点の合計です。

  • 設備資金=車両やパソコン、デスクやコピー機、内装工事などのハード面に掛かる資金
  • 運転資金=仕入れや人件費、その他の諸経費など、おおよそ2~3ヵ月分程度の資金

【ポイントの2・経験や能力のチェック】

1)経験について…

この場合の経験とは、起業家の過去の勤務経験のことです。

そこから融資の可否を判断します。例えば、飲食業で起業したい人が、飲食業でアルバイトもしたことがないような場合、金融機関としては非常に融資しにくいということになります。

事業計画書の事業内容に対して、今までの職歴が、今回の事業に活かせる経験を多く積んできたということをアピールすることが重要なのです。

2)経営能力について…

経営者としての能力も融資の可否の重要な要素です。

例えば、金融機関の審査では、通常は、融資担当者との1時間程度の面談が行われます。

この面談の際の受け答え内容や態度によっても、経営者としての能力があるか、信用できる人物なのかなどが判断されることになります。

また、お金の管理能力があるかどうかも重要な審査要素です。

例えば、過去1年以内に電気やガス、水道などの公共料金や税金の滞納が多発している場合、融資審査では金銭的感覚が乏しいと判断され、融資はかなり厳しくなります。

これをチェックするために、過去1年分の公共料金の請求明細を提出要求されることもありますので、事前に準備しておきましょう。

また、個人信用情報に事故情報が残っている場合も審査通過は厳しくなります。

クレジットカードなどの返済延滞などの事故情報は5年間残ります。

過去に個人信用情報に取るようなお金のトラブルを起こしたことのある人は、事前に記録をチェックしておくことが必要です。

【ポイントの3・返済の可能性度のチェック】

1)形式的に返済できるのかどうかです…

形式的な審査として、事業計画書の予測損益計算巣の税引き後の利益+減価償却費が融資返済額を上回っているかどうかを審査します。

金融機関では、各業界の標準的な売上げや経費率などのデータを持っています。

事業計画書の売上げ予測や地益予想などがデータの標準的な数字とあまりにも乖離しているような甘い見通しを立てていれば、経営者としての経営感覚を疑い貸しにくくなります。

また逆に、税引き後の利益が年間の借入れ返済額を下回るような弱気な計画になっていれば、当然ながら融資できないということになります。

2)実質的に返済できるのかどうかです…

実質的な審査として、事業計画書に書いてある売上げの計画が本当に実現できる説得力があるかどうかです。

例えば、飲食店を例に考えると、確実に売上げが上がることを証明するには次のような要素で、それぞれ説得力が必要です。

  • USP(お客はなぜあなたの店でなければならないか)…多くの競合他店の中で勝つことのできる魅力的な要素は何かです。メニューは、価格は、接客サービスは、イベントは、内容は、場所は、どうなのかということです。
  • 出店場所と客層ターゲット…出店場所の優劣やターゲット層の属性などです。
  • 集客方法…戦略的に集客プランを考えていますか。折込みチラシやタウン誌、手渡しチラシ、ホームページ、SNS、口コミなどです。例えば、Web集客でSEOを掛けるとしたら、具体的にどのようなキーワードを選ぶのかなど、細かいところまで踏み込みます。
  • 客単価…ターゲットに対して提供する客単価が合っているかどうか、近隣の競合他店の客単価と比較して対抗できるのかなどを、実際に近隣の店で飲食して、自分の周りの客が注文したメニューや客単価を調査するなどです。
  • 来客数…座席数に対して、それぞれの時間帯で何回転できるかより、1日の来客数を具体的に予測します。
  • リピ-ト…来客してもらえたお客にリピートしてくれるような方法があるのか、それはどんな方法なのかです。

【ポイントの4・資金用途のチェック】

創業融資を受ける際には、その資金の用途を全て証明する必要があるのです。

例えば、事業全体で必要な資金が1,500万円だという事業計画を基に、自己資金500万円、借入れ希望額が1,000万円の申込みをする場合、事業全体で掛かるという、その1,000万円の内訳を示し、それぞれの見積書などで根拠を示す必要があるのです。

また、これから契約する予定の賃貸物件に掛かる経費などは、物件のチラシなどを示します。

例えば、コンサルタント業など、多額の資金が掛からないビジネスで起業する場合は、自己資金が500万円あって、最大1,000万円の借入れ枠が期待できる場合であっても総額1,500万円の用途を見積書などで示せないことがあるはずです。

このように、用途が明確になっている資金以外は融資が受けられないということです。 (さらに…)

出資してもらう方法について

出資してもらう方法について

資金調達の方法として、借入れ以外に出資してもらうという方法もあります。

また、創業融資を受ける場合の自己資金の不足分を増やすために出資してもらうことも考えられます。

(1) 融資を受ける先としては次のようなものがあります

1)家族・親戚、友人・知人からの出資の場合…

起業時の資金調達方法で多いのがこの方法です。

特に、中でも両親や兄弟などの家族・親戚からの出資を受ける場合が多いのです。

融資と違い、資金計画上資金が調達できないというリスクが少なく、確実なことが魅力的なのです。

ただし、万が一、事業に失敗した時は、迷惑をかけてしまうことにもなります。

2)エンジェル投資家からの出資の場合…

エンジェルとは、個人投資家の中で創業当初の会社に対して、投資を行なう人のことです。

家族・親類・友人とベンチャーキャピタルの間に存在する資金供給の隙間を埋める役割を果たしています。

家族や友人から1,000万円以上の資金を調達することは一般的には難しい。

その一方で、伝統的なベンチャーキャピタルは1〜2億円以下の投資を検討することはありません。

そのため、エンジェル投資家は急成長するスタートアップ企業に対する第二段階の資金供給者となっています。

しかし、経営が不安定な創業当初の会社に直接高額の出資をしてもらうことになるので、エンジェル投資家から出資を受けることは非常にハードルが高いといえます。

投資家は、ビジネスの将来性や、独創性だけでなく、人間的に信頼関係が基盤になっていないと実現は難しいといえます。

一方、エンジェル投資家の多くは引退した起業家や経営者であり、純粋な経済的追求を超えた理由で投資を始めることが多く、の理由としては、特定のビジネス領域における発展に乗り遅れないようにする、新しい世代の起業家達に対する希望や願望に、自らの経験や人的ネットワークを有効活用したい、などが挙げられます。

従って、純粋な資金供給に留まらず、経営面での貴重な助言や有力者の紹介などで起業を助けることもあります。

しかし、そもそもどのようにエンジェル投資家になってくれる人と知り合えるのかが良くわからないという問題があります。

3)ベンチャーキャピタルからの出資の場合…

ベンチャーキャピタルとは、高い成長力があると見込まれる未上場会社に対して、資金を投資する投資会社で、よほどの革新的な新技術やノウハウがないと出資してもらうことは難しいうえに、1億円以下の投資はしません。

また、ベンチャーキャピタルが投資する目的は、最終的には、投資した会社が株式を上場した場合にその出資額に相当する株を売却して利益を得ることなのです。

ですから、創業時の規模や事業内容のハードルが高く一般的な起業家には向いていません。 (さらに…)

助成金・補助金をもらう方法について

助成金・補助金をもらう方法について

起業人に、公的機関などから一定の条件にあてはまれば、助成金や補助金を受けられる制度が各種あります。

(1)情報はこまめにチェックしましょう

各種の助成金や補助金は、毎年新しい制度ができたり、開始されたりして、目まぐるしく変化します。

そして、申請期間が限られていたり、予算が消化された時点で打ち切れになるものもあります。

ですから、助成金や補助金の基本的な知識を得たうえで、最新の情報を常にチェックするということが、受給を得られるポイントとなります。

(2)助成金・補助金の正しい考え方

起業家が、「もらえるものは何でも、全てもらいたい」という思いで、 それらの受給金にこだわりすぎるのは危険です。

助成金・補助金の出どころは多くは、税金です。

そのため、当然ながら、受給を得ることは厳しい要件を全てクリアしなければなりません。

ですから、その厳しい要件をクリアして得た助成金や補助金を次のようなことをするというのは間違いです。

  1. 事業の開始時期を遅らせること
  2. 余計なものを購入する
  3. 予定人数以上の人材雇用や高給を支払うこと

などです。 (さらに…)